インドネシア留学 ~持続可能な水環境を目指して~

将来、東南アジアを中心とした水環境保全に貢献するためにインドネシアで修行中です。

バンドンってこんなとこ

 知られざるバンドンの魅力

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バンドンに住んでから4か月ほど経ちました。首都ジャカルタ、観光地バリと比べ、バンドンは知名度も低く、こちらに来る前は「どこだよそこ、、、」と正直思っていました(笑)。実はここバンドンは、約250万人が住むインドネシアの第3の都市とも言われている主要都市です。

 首都ジャカルタから、車または電車で片道約23時間の距離に位置しています。また、空港もありインドネシア国内の各地、東南アジア諸国への便も毎日運航しています。今回はそんな知られざる都市バンドンに実際に住んでみて見えてきた魅力を紹介したいと思います。

 

魅力① 熱帯なのに、めっちゃ涼しい

熱帯に位置し、一年中暑いインドネシアですが、ここバンドンは高原地帯のためかなり過ごしやすい気候です。日本で言う夏の軽井沢や箱根などの避暑地の気候に近いです。日本の夏のような嫌な蒸し暑さもなく、気温は日中でも高くて30℃、夜は20℃を下回り半袖だと少し寒いくらいです。このような過ごしやすい環境を求め、ジャカルタや国外からも多くの観光客が訪れています。

 

 

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いつも木が生い茂るバンドン工科大学キャンパス内

 

魅力② 穴場の観光スポットがある 

バンドンには観光ガイドブックには載らないような壮大な自然を感じることのできる湖や山、おしゃれなカフェやお店など、観光としても十分に楽しめるスポットがあります。自然好き、カフェ好きの私にとってはかなりうれしいです。

 

 

 

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幻想的な白い湖のカワプティ

 

 

 

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本気のハイキングができるレンバン

 

 

 

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気抜いたら死にます

 

 

 

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こんな感じの本格的な修行もできるようです。

 

 

 

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夜遅くまでやってる店も

 

 

 

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いい感じのレストラン 

 

 

 

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 内装がすごいカフェ

 

 魅力③ 飯がうまくて安い

バンドンはジャカルタやバリなどと比べ物価も安く、ローカルレストランでは一食100程度で食べることができます。

ガチな屋台ではなんと約50円でナシゴレンなどが食べられますが、一度思いっきり腹を壊し1週間吐き続けるという死の恐怖を味わってからは手を出してません(笑)

 

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 しっかり野菜も取れます。

 

 

また、ザ・東南アジアといったイメージに反し、お洒落でかなりおいしいディナーが食べられるところもあります。

 

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 これでも1000円しません。かなりうまかった。

 

 

魅力④ 生活用品は何でもそろう

バンドンは日本と変わらないクオリティのショッピングモールやアウトレットも豊富で、生活用品に困ることはありません。SOGOダイソーといった日本でお馴染みの店も進出しており、日本製品も簡単に手に入ります。

 

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日本にあるもの見るとやっぱり安心します

 

 

 

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高級感漂うダイソー。ちなみに約250円均一 

 

 

 

 

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日本とほとんど値段が変わらないためユニクロは高級なイメージらしい 

 

 

魅力⑤ 他の地域に比べ治安が良い

インドネシアと聞くと、ジャカルタでのテロなど、治安の悪いイメージがあると思います。実際にバンドンに住む日本人の友人は、ジャカルタやバリでは盗難にあったりと、実際に被害にあっている人も多いです。しかしここバンドンでは、私は今までの生活の中で盗難や身の危険を感じたことは一回もありません。これは他の日本人、外国人留学生も口をそろえて言っています。もちろん油断のし過ぎは禁物ですが、これは実際に滞在するに当り非常に重要なポイントだと思います。

 

 

 

どうでしょうか、だいぶイメージとは違うと思います。

東南アジアの途上国のマイナーな都市、という勝手な先入観が実際に住んでみてかなり変わりました。今後のインドネシアの経済発展に伴い、ここバンドンもさらに都市として発展していくと思います。あと半年ほどどっぷり現地での生活に浸かり、引き続き魅力を探していけたらと思います!

 

 

 

unicefにて「水と衛生」についてお話頂き感じたこと

 

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今回、unicefジャカルタにて、インドネシア国内で行っている活動について日本人の職員の方からお話を頂く機会がありました。

 

 

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unicefオフィスがあるビル尾エリアに入るゲート、さらにはエリア内の一つ一つのビルの入り口でも手荷物検査などを行う厳重な警備が行われています。近年ジャカルタで発生しているテロが影響しているようです。

 

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ゲートをくぐると、外資銀行などの立派なビルが立ち並ぶ区画があり、その一角にunicefジャカルタがあります。

 

「トイレが無い」ことにより生じる健康問題

 

 unicefは、「すべての子どもが公平なチャンスを得られる世界を目指して」をモットーに世界中で活動していますが、その重要な活動分野の一つに「水と衛生」があります。

 

この分野は、SDGs国連本部で採択された持続可能な開発目標)でも早急に解決すべき課題として位置づけられています。

 

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SDGs目標6より)

 

この目標に向け、unicefジャカルタが行っている具体的な活動に、トイレの普及活動があります。日本に住んでいると、トイレが各家庭についているのは当たり前ですが、インドネシアではトイレが無いために、川など屋外で排泄をする人が国内に約5000万人ほどいます。これは世界でも2番目に多いと言われています。

これにより生じる不衛生な環境が原因で、年間約15万人の子どもが、5歳になる前に下痢により亡くなっているそうです。具体的な下痢を引き起こす経路としては

 

①オープントイレ(トイレを使用しない屋外での排泄行為)により水源が汚染される

②発生したハエ、そこで遊ぶ子どもなどを媒体とし、排泄物が家庭内に入り込む

③それにより汚染された、高濃度の大腸菌を含む飲料水を飲むことにより下痢を引き起こす

 

といった流れになります。実際に、トイレを使用せず、川など排泄をしている家庭の子どもが、自宅にトイレを持つ家庭の子どもに比べ、約66%も下痢で苦しむ子どもの割合が高いことが分かっています。このような課題を改善すべく、unicefインドネシアは政府などの協力機関とともに、トイレの設置、普及活動などを行い、衛生環境改善に取り組んでいます。

 

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unicefインドネシアHPより)

 

しかし、新しくトイレを設置すれば、はい、問題解決、と簡単にはいかないようです。

 

トイレ普及を拒む難しい課題とは

 

生まれながらトイレが無い生活を送ってきた住民たちは、「そもそも何でトイレを使わなきゃいけないの?」と利用する理由を理解していないケースがあるそうです。そのため、新たに設置したトイレが利用されずに放置されてしまう場合も少なくないのだそうです。

また、宗教的な慣習などが適切なトイレ利用の障害になるといった問題も存在します。我々日本人にとってなじみの薄い宗教ですが、それが人々に与える行動様式、習慣への影響は極めて大きく、時にはこのような課題に繋がってしまうこともあるようです。

 

このような現状を改善すべく、unicefでは設置の際にトイレを利用することの重要性を伝える教育活動や、設置されたトイレが適切に利用されているかどうかを確認する調査などの活動を行っています

 

正直、トイレがある生活が当たり前の環境で育った私たちには、「トイレがあるのに使わない理由が分からない!」と思ってしまうのが実際のところですが、自分の中の物差しだけでなく、相手の立場で問題を考えていかなければならない、というグローバルに活動する上で必須の考え方について再認識しました。これについては頭では分かっていても実施するのはかなり難しいことだなと思います。

 

そして、水に関する衛生問題を解決する際には、設備といったハード面だけでなく、人々の意識や習慣、文化を根本から理解した上での教育活動、といったソフト面の重要性を改めて感じました。ここが不十分だと、新たな設備を導入しても慣れ親しんだスタイルを変えてもらうだけの説得ができません。結果として住民の環境改善意識を高めることができず、ただの技術の押し売りになってしまいます。

 

よって、人々の行動指針を形成する文化や宗教といった抽象的な事柄と、製品や技術開発を切り離して考えるのではなく、全ての繋がりを意識した技術開発体制を整えることが課題解決には不可欠だと感じた次第です。

 

 

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unicef訪問時の写真  左から・Herto先生(バンドン工科大学)、小田切様(unicef 職員)、山村先生(中央大学

 

 

 

現地で目にした水環境の現状・課題から対策を考えてみた

皆さん、日本で生活する中で、使用した水がその後どうなるか意識したことがあるでしょうか。 普通に生活していればなかなかそんな機会はないと思います。。。

なぜなら、日本では日々の生活で使用した水(下水)は下水処理場にて適切に処理され、河川などに放流されるのが当たり前だからです。しかしここインドネシアをはじめとする東南アジア諸国では全く状況が異なり、下水道整備はかなり遅れているのが現状です。

 未整備の衛生環境による莫大な経済損失

東南アジアは世界の他の地域と比較しても、適切な処理がなされない下水などが原因で発生している健康被害、水源汚染等による経済的損失は莫大であり、インドネシアに至ってはその額は7兆円にも及ぶと言われています。

 

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(引用:https://www.lixil.com/jp/sustainability/sanitation/findings.html

 

東南アジア諸国では、今後さらなる経済発展、人口増加に伴う水処理需要の増加が見込まれる中、このままではさらに水環境に関連する問題が深刻化することが懸念されます。逆に考えると、この問題は人々の生活に直結するため、今後必ず国から投じられる予算が増えていき、本分野において優れた技術、ノウハウをもつ日本にとっては大きなビジネスチャンスと捉えることもできます。このチャンスをものにすると同時に、各国の水環境改善や、さらなる経済発展に貢献できるとしたらかなりハッピーじゃないか、と個人的に思っています。

 

そこで以下に、実際に現地で目にして感じた現状や課題から、今後インドネシアにおいて水環境改善のためにどのような対策が必要であるのかを、少し専門的な観点と、今話題のIoTの活用などを交え、自分なりにまとめてみました。

 

バンドン唯一の下水処理場 「Bojong soang」

インドネシア第三の都市と呼ばれ、200万人以上の市民を抱えるここバンドンには、なんと一か所しか下水処理場がありません。それがこのBojong sonangです。

 

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この広大な湖のように見えるのが、安定化池と呼ばれる下水を処理する池になります。この方式は低コストでメンテナンスが容易なことから、東南アジアを中心に多く採用されています。日本の下水処理では多くの場合、活性汚泥法と呼ばれる高度な処理が行われますが、この処理方式において下水の浄化に利用されるのは、重力と湖内に棲む微生物による代謝のみです。

一見安価で優れた方法に見えますが、実際に訪れたところ、運転管理に問題が確認されました。具体的には、汚水が浄化される際に発生するゴミ(汚泥)が取り除かれずにそのまま湖内に放置されているため、処理効率が低下してしまっていました。結果として、定められた排水基準を満たせていない処理水がそのまま環境中に放流されているとのことでした。

湖内に蓄積した汚泥の適切な引き抜き作業が行えていない理由として、汚泥を脱水し、肥料として有効利用するために必要な天日干しを行うスペースが埋まってしまっていること、広大な敷地のため頻繁に汚泥を引き抜く作業を行うことが難しい等といった理由があるようです。

インドネシアでは、今後国家計画として下水道普及を進めていくとしていますが、このままでは下水処理場を新設しない限り、処理場への下水の流入量を増やすことは厳しいと感じました。持続可能な下水処理システムを構築するには、この汚泥を効率的に、安価に処理するとともに、有効利用する技術がキーになりそうです。このような技術の開発を目指し、現在バンドン工科大学にて、日本の技術利用を視野に入れた処理システムの研究を進めています。

 

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(実際のサンプリングの様子)

 

下水道未整備の地域では

現在私のいるバンドンでは、コストの問題、地形の問題などでそもそも下水道に接続されていない住宅密集地が数多くあるのが現状です。そのような地域ではどのように生活排水やトイレの排水処理が行われているのかというと、コミュニティ浄化槽と呼ばれる、小型の簡易な浄化設備が各地に設置されているケースがあります。(http://www.env.go.jp/recycle/jokaso/)これを利用することで、個人レベルで安価に排水処理を行なうことができるため、下水道未接続地域が多く残る東南アジアでは非常に注目されている技術です。実はこの技術、日本では古くから開発が進められ、既に日本製の浄化槽が東南アジアにおいて導入されているケースも存在します。

 

しかしながら、実際にある住宅地にて設備を見てみると、全く適切な運転管理がなされておらず、排水が未処理のまま垂れ流しになっているのが現状でした。ある報告によると、正常に機能している浄化槽は全体の内、約5%に過ぎないとのことです。(http://indonesia-news.biz/?p=3758)せっかく優れた性能を持っている設備を導入しても、適切に利用、管理されなければ意味がありません。

 

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 (放置されて使われていない浄化槽)

 

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(未処理の排水が直接河川などへ流されている)

 

原因としては、住民の水環境への意識の低さや、運転管理ノウハウが理解されていないことなどがあるようです。結果として浄化槽は故障したまま放置され、未処理排水による河川の汚染が進んでしまっています。これを防ぐには、適切な管理が行われていない地域をいち早く発見し、適宜指導を行うことや、定期点検によるメンテナンスへの介入が最も重要だと思われます。しかし、多くの地域にバラバラに設置された浄化槽について効率的に運転管理の状況を確認することは現状では極めて難しいかと思われます。

 

これまでに上げてきた以外にも多くの課題が存在しますが、以下に今回感じた問題点とそれに対する解決策を自分なりにまとめてみました。

 

問題点のまとめ

下水処理場からの排水が環境基準を満たせておらず、このままでは下水道普及率の上昇に伴う処理水量の増加に対応することが難しい。今回紹介した安定化池という処理方式では、発生する汚泥が適切に処理されていないことが処理効率低下の原因となっている。

・コミュニティ浄化槽は、下水道未接続地における水環境改善に寄与することが期待されるが、適切な運転管理が実施されず正常に機能していない場合が多い。そもそも各地に散らばって設置されている浄化槽について、効率的に運転状況を把握し、必要な対策を行うことが難しい。

対策

・処理により発生する汚泥の効率的な処理の導入が必要不可欠化だと思います。広大な敷地を要する、天日干しによる肥料化以外の汚泥の有効利用、処理方法(汚泥中の有機物を微生物の代謝によりエネルギーとして利用可能なバイオガスに変換し利用する等)の検討、導入が必要になってくるかと思います。

 

・浄化槽にIoT(Internet of Things)を導入し、位置情報や運転状況の可視化により、地域ごとの一括管理などができれば、住民への技術指導や定期点検の効率化などが実現できるのではないかと考えています。例えば、可視化されたデータを利用することで「あそこの地域の浄化槽、定期点検から間もないのに全体的に処理効率が落ちてるな。おそらく住民による運転がうまく行われていないから一度正しい運転方法の指導に出向いた方がよさそうだな」といったようなアプローチを行うことが可能になると思います。ゼロからそのようなインターネット機能を持つ浄化槽を開発するのは難しいかもしれませんが、既存の機器に設置するだけでモニタリングを行うことができる小型のタイプの製品がすでに日本企業により開発されたりしています。(http://economic.jp/?p=74796)このような最新技術と掛け合わせることで、浄化槽の持つメリットを最大化できるのではないかと思います。

 

・日本のように下水処理場にてすべての下水を処理する“集中型処理”はインドネシアをはじめとした東南アジアでは事情が異なり難しいと思います。したがって下水処理場による集中型下水処理と、浄化槽を利用した個人レベルの分散型下水処理を効率的に組み合わせていくことが重要になるかと思います。ガラパゴス携帯が普及する前にスマートフォンが急速に普及した国があるように、しっかりとした既存のシステム基盤が存在しないからこそ、IT技術を掛け合わせた効率的な次世代型システムをゼロから導入することができるのではないかと思っています。

 

以上、グローバルな視点からとらえた水環境の問題の現状、解決策が少しでも視野を広げるきっかけとなれば幸いです。

インドネシア留学を決意した3つの理由

 

インドネシアへ留学する理由

こんにちは。中央大学大学院 修士1年のオダシマです。

 

2017年4月から、インドネシア第三の都市と呼ばれるバンドンにある、バンドン工科大学 (https://www.itb.ac.id/)に研究、インターンを行うため留学しております。

また、本留学は文部科学省主催の、トビタテ! 留学JAPANというプログラムに採用して頂き実現しています。

 

www.tobitate.mext.go.jp

 

本ブログは、急激に発展するインドネシアの様子を、水処理や水マネジメントを専門とし、現地で実際に生活している私だからこそ発信できる水インフラ分野、生活や文化、人といった観点から紹介し、少しでも多くの人に水インフラやインドネシアに興味を持ってもらえたら、と思い開設しました。

 

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 (キャンパスにある噴水) 

 

インドネシアに留学!なんて言うと「珍しいね!」とか「なんで?」とか「めっちゃ凄いね!」と特別な人みたいに思われがちですが、かなりの凡人です。。サークルやバイトをしたり、旅行、飲み会を楽しんだりと、ごく普通の大学生活を送ってきました。(笑)

 

ただ自分でも本当によかったなと思うのは、大学生活の早い段階で、自分が将来やってみたいと思えるような分野を見つけたことです。

 

それが、「誰もが安心して水を自由に使える、持続可能な水環境の構築に貢献する」ことでした。

 

これを実現するための活動の一環として、2017年4月からインドネシアで留学生活を開始しました。

 

グローバルな水環境の構築に興味を持ったワケ

日本で普通に生活していると、蛇口をひねればいつでもきれいな水が当たり前のように使えます。そのため、多くの日本人の方は水環境について意識することはほとんどないかと思います。

しかし日本のように水資源が豊富で清潔な水がいつでも使える国は少なく、世界各国で水資源枯渇の危機や、上下水道整備の遅れによる環境汚染や健康被害など、水環境問題は最も大きな国際的課題となっています。

 

・・・・・・。。。

 

という話だけはニュースで目にしたり、講義で習ったりと認識はしていましたが、なんせ自分の置かれた環境とはかけ離れすぎているため全くイメージが湧きませんでした。(先生すいません。)

てなわけで、「ちょっと一回自分の目で確かめてみたい」と思い立ち、大学1年時に何となく ”マレーシア郊外の村での水道インフラ整備ボランティア” に参加しました。

 

 

ここでの2週間が自分の人生を大きく変えました。

 

東南アジアで感じた経済発展、しかしインフラは、、、

ボランティアのプログラムのため、マレーシアに訪れた際、初めに感じたのは、非常に上から目線で失礼ですが、「思ったより発展している」という印象でした。首都ではないコタキナバルという場所でしたが、日本と変わらないようなきれいなショッピングモールが立ち並び、高級ブランドが軒を連ねている様子は、東南アジアの経済発展を象徴するようでした。

 

しかし、その綺麗な建物の横では汚い水が未処理のまま垂れ流され、河川や海は見るからに汚れており、激しい異臭を放っていました。ピカピカのショッピングモールと大量の汚水のコントラストは自分にはかなり不気味に映りました。また、実際に、汚染された河川の水を生活用水として使わざるを得ずに、健康被害に苦しむ村民の生活状況を目の当たりにし、衝撃を受けました。

 

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(集落の水路にて、インドネシアも下水道普及率はまだ低い水準で未処理の汚水が直接放流されている場所が多くあります。)

 

このように著しい経済発展の一方で、上下水道整備の遅れにより、水道水にアクセスできなかったり、劣悪な水環境の中で生活することを強いられる住民がいらっしゃるのが、東南アジアをはじめとした途上国の現状です。

 

インフラ整備ボランティア活動は、郊外の村にて行ないました。実際にそこでは水洗ではないトイレ、泥水のような川での水浴びや洗濯など、日本のように水を自由に使えない生活を体験しました。とにかくこれがしんどかった、、、物的な豊かさよりも、人々の生活基盤である”水”の大切さを肌で感じた経験でした。

作業内容としては、いつでも清潔な水を使うために必要な貯水タンクの設置などを行いました。私はここで日本人、マレーシア人の学生からなるグループのリーダーとして作業を行いました。そこで経験した、「価値観の異なる人々をまとめあげ、水環境を改善したことにより、村民の生活水準の向上に寄与できた」ことが純粋にとても面白く、やりがいを感じたんです。

 

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(ボランティアメンバーとの集合写真)

 

この時から、「将来はこの分野でグローバルに活躍したい」と本気で思うようになりました。

 

目標実現に必要な”3つのスキル”を求めインドネシア

上記の経験から、明確な目標を持てたことは非常によかったのですが、そこで気づいたのは、

 

 

自分はその目標実現に必要なスキルを何も持っていないじゃん。。。

 

 

という現実でした。

持続可能な水環境構築、と口で言うのは簡単ですが、その実現には非常に高度なスキルを必要とします。私は大きく分けて3つのスキルが必要だと思っています。

 

 

まず、「専門知識」です。

水処理、と一言で言ってもそれには非常に多様な方式があり、効率的に処理を行うには、目標とする処理水質に合った処理方法を、現地の事情に合わせて組み合わせ、最適化する必要があります。そのためには様々な処理技術の複雑な仕組み、特徴を物理的、化学的、生物学的に理解していなければなりません。

 

 

次に、「ビジネス感覚」です。

持続可能な水環境構築のためには、ビジネスとして回すことのできる仕組みづくりだと考えています。もちろんボランティア活動なども重要ですが、永続的にボランティアとして支援し続けることには限界があるため、ビジネスとして成立する仕組みづくりに繋げることを前提とした現地での人材育成などが重要になってくるかと思います。

また、パリ協定により、世界各国が環境問題解決に向けより努力していくことが決定するなど、世の中の流れから見て、この先環境分野への投資はさらに伸びていくと考えられます。そうなると、今まで後回しにされていた水道インフラへの予算も増え、世界各国で整備が進められていくに違いありません。特に東南アジアなどGDP成長率の高い地域ですでにこの動きが見られています。

世界に誇れる日本の水処理に関連した技術や知見、仕組みを活かし、この流れに乗ることができれば、日本と相手国、両国のさらなる経済発展と各国の人々の生活水準向上に貢献できる勝機があると考えています。しかし現時点では、水処理分野における日本製品のシェアは非常に低い水準でとどまっています。この現状を、Made in Japanの水処理技術をそのまま導入するのではなく、現地の事情に最適化して受け渡すことで変えることができると信じています。

これを実現するには専門知識をベースとしたビジネス感覚が必須であると考えています。

 

 

最後に、「異文化コミュニケーション力」です。

世界で水環境改善に取り組むとなると、現地企業、政府、現地住民など、様々な立場、異なる価値観を持つ多くの方々と関わることになります。ここで言う異文化コミュニケーション力とは、相手方が本当に必要としているニーズをくみ取ること、上辺だけではない信頼関係を築くことです。これには語学力が必須なのはもちろんですが、相手が考えていることを異なる価値観、文化的背景を理解し読み解く力が大切であると思います。

これを身につけるには、実際に自分とは全く異なるバックグランドを持つ人々に囲まれて生活するしか方法がないと考えています。

 

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インドネシア人は人懐っこい人が多いです)

 

この3つのスキルを獲得するために、東南アジアの中でも特に著しい経済発展が進む、インドネシアのバンドン工科大学に約10か月留学することを決意しました。

 

具体的に行う活動として、

 

・バンドン工科大学にて東南アジアの温暖な気候に特化した資源生産型水処理システムの開発

 

・現地水処理企業、安全な水の普及活動を行うNGOでのインターンを通じたビジネススキルの獲得

 

・現地での生活にどっぷりつかり、異なる価値観を持つ方々と信頼関係を築くために必要な異文化コミュニケーション力の獲得

 

といった所です。長くなりましたが、これがインドネシアへ留学を決定した理由になります。

 

 

留学して2か月立ちましたが、うまくいくことよりも断然うまくいかないことの方が多いです。屋台の飯にあたり胃腸炎で一週間吐き続けたときは本気で帰ろうかと思いました。。すべて修行だと思って何とか踏ん張っております。(笑)

 

これからは現地での生活、水事情、感じたことなど時間のある時に発信していこうかと思っておりますので興味があれば見て頂けると嬉しいです!

 

では!